慰安婦問題などの「歴史戦」で中韓両国に批判的な、いわゆる保守系チャンネルが、相次いで閉鎖に追い込まれているのだ。
特定の主張を狙い撃ちにした、外部ユーザーらによる「攻撃」の疑いがある。
恣意(しい)的な言論規制につながる危険性はないのか。
当事者の1人となった、明治天皇の玄孫で、作家の竹田恒泰(つねやす)氏が激白した。
「不当な表現活動はしていないが、アカウントが突然停止し、動画を投稿できなくなった。同様の事例が多発し、外部による組織的な妨害工作の可能性がある。『言論弾圧』『言論人の暗殺』ではないか」
竹田氏は、夕刊フジの取材にこう訴えた。
ユーチューブは、投稿ルールで、人種や民族的出自などに基づき、暴力や差別を扇動する動画の投稿を禁じている。
ルールに反すると判断すれば、投稿者に警告を発する。
6カ月以内に3回警告を受けると、アカウントは停止する。
竹田氏の場合、5月23日夜に1回目の警告があり、数時間後の24日早朝までに、2回目と3回目が相次ぎ、停止に追い込まれたという。
対象は、「【公式】竹田恒泰チャンネル」で配信した、韓国外交や慰安婦問題などをテーマにした動画だった。
アカウント停止に伴い、過去に同チャンネルに投稿した動画約2000本は、すべて視聴できなくなった。
こうしたケースは、竹田氏に限らない。
米在住評論家、トニー・マラーノ氏の「テキサス親父日本事務局」をはじめ、5月中旬から閉鎖されたチャンネルは「170以上」ともいわれる。
いずれも登録者は、数千~数万人単位で、影響力は小さくない。
タイトルに「朝鮮」「中韓」などと掲げたチャンネルが目立ち、「ヘイトスピーチ反対」を訴える左派系ネットユーザーの警戒・監視対象となった可能性がある。
朝鮮日報(日本語版)は2日、「ネットユーザーたちは(中略)『ネット右翼のユーチューブ・アカウント停止祭り』を行った」「韓国を中傷する嫌韓動画は20万-30万本が削除されたと推定」と伝えている。
だが、ユーチューブから投稿者に、動画のどの部分が投稿ルールに反するかは通知されない。
竹田氏は「気に入らない動画は、見なければいい。特定の動画を削除させることを狙っているなら、ユーチューブの警告制度の悪用であり、姑息(こそく)だ。言論で対抗しろ、と言いたい」と怒り心頭だ。
ユーチューブの動画番組に出演する自民党の和田政宗参院議員も「明確な人権侵害があれば、閉鎖は仕方ないが、根拠がはっきりしない。言論活動の委縮(いしゅく)につながりかねず、ユーチューブは、閉鎖の明確な根拠を示すべきだ」と指摘している。
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Source: YouTube速報