2020年10月28日、YouTuber大手事務所・株式会社VAZの森泰輝氏が代表取締役を退任すると発表しました。
(参考:note「新経営体制への移行と、代表取締役退任のお知らせ」)
森泰輝|VAZ,inc. Founder &CEO
@taiki_VAZ
2015年に創業したVAZの代表取締役を退任します。僕の力が及ばずこのような結果になってしまい、投資家の皆様、そして応援してくださった皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいです。今日までお力添えをいただいた方々に深く感謝します。
https://twitter.com/taiki_vaz/status/1321346100586971142?s=21
後任は共同ピーアール株式会社代表取締役社長の谷鉄也氏
森氏は10月23日をもって代表取締役を退任済み。今後は所有する全株式を共同ピーアール株式会社代表取締役社長の谷鉄也氏個人に譲渡し、谷氏がVAZの経営を担うとのことです。
VAZは2015年に創業。創業以来、森氏が代表を務めてきました。
森氏は退任報告にあわせ、これまでのVAZの歩みと退任の理由も説明しています。
その中では、急速に成長する会社の中で森氏が抱いた「恐怖」が率直に綴られています。
「ヒカル」(登録者数420万人)らの「Next Stage」が結成された頃、VAZは「インフルエンサープロダクションとして、日本でトップを争う立ち位置」として、注目を集める存在になりました。
森氏は当時の心境を
世間に対する影響力が増大する度に、自分は毎日恐怖に怯えていました。お恥ずかしい話ですが、VAZの成長速度は僕のキャパシティを遥かに超えており、自分で会社をコントロールできなくなっていたのです。
と吐露しています。
2017年、ヒカルが大炎上した“VALU騒動”については、
統制が取れておらず、管理も杜撰だった会社は、大炎上に耐えきれず組織が崩壊。会社中にゴミが散らかり、全社会議もボイコットされるなど致命的な状態に陥りました。
と告白しています。
退任はコロナ禍が影響
森氏が退任を決めたのはコロナの影響とのこと。
森氏によると、VAZはタレントの広告収益を主たる収益源とせず、企業の広告出稿で事業を成長させてきたそう。ところがコロナ禍で、
タイアップ案件の中止や案件が相次ぎ、中長期視点で考えると、事業の継続が難しくなる可能性が出てきてしまいました。
検討を重ねた結果、導き出した結論が自身の退任だとしています。
森氏は、これは「VAZが今後も残り続け、高みを目指すための選択しての決断」と述べています。
森氏は「次の挑戦をすべく自分を磨き直します」と前向きな言葉を見せる一方で、
退任という意思決定はあまりにも悔しく、情けないです。
と率直に述べています。
新体制移行後も森氏は「ファウンダーとして今後も関わらせていただくつもり」とのことです。
4月時点で「独力での経営再建は難しいとの結論」
VAZはウェブサイトで「筆頭株主の異動と新たな経営体制への移行のお知らせ」というプレスリリースを発表しています。
そこでもコロナ禍による経営状況の悪化が株式譲渡の理由とされていますが、4月上旬時点ですでに「独力での経営再建は難しい」との判断を下したことが記載されています。
4月上旬に、経営陣で連日にわたり議論をいたしましたところ、独力での経営再建は難しいとの結論に至り、森が、創業以来ご支援をいただいております谷氏に対して、経営支援を依頼したところ、同氏よりご快諾いただきましたことから、同月17日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
(VAZ)
クリエイターの退所が相次いでいるVAZ
かつてVAZは「ヒカル」や「ラファエル」(登録者数178万人)ら人気YouTuberを擁し、業界で最も勢いのある存在でしたが、最近はトラブルが相次いでいる上、人気クリエイターの退所が続出するなど、往時の勢いはまったくありません。
VAZからは、今年だけでも「スカイピース」(登録者数310万人)、「まあたそ」(同187万人)という看板クリエイターが退所を発表。
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Source: YouTube速報