ユーチューバーのラファエル(年齢非公表)が2冊目の著書「秒で決めろ! 秒で動け! ラファエル式秒速タイムマネージメント」(宝島社)を出版した。同書は日々どのようにして「時給日本一」になったのかを明らかにしたビジネス書だ。「有事のためにキャッシュで100億円持つことが目標」という本人にユーチューブを取り巻く環境、今後のビジョンを聞いた。
――なぜ2冊目の本を出版することに?
1冊目の本を出したら名刺代わりになりました。本は全く儲かりませんけど、僕を知ってもらって広告案件が来るとすれば結果的にプラスになります。僕はビジネスチャラ男キャラで一番ウラとオモテがある。動画の中ではネタがほとんどなので、本は動画とは違う素の自分に近い姿で、今回は仕事の仕方を中心に紹介しました。
――ここ最近、ユーチューバーのステージも飛躍的に上がった。
大学生レベルで億のカネを稼いでいるところが“凄い”かつ“癪にさわる”ところですが、別に素晴らしい職業ではないですよ。単に18年ごろからネットの広告費が一番になり、ユーチューブが今最も宣伝効果があって“最も稼げる場所”なだけで、凄い人はいない。トークも若手のお笑い芸人に劣る、逆を言えばユーチューバーは“努力で成功できる職業”ではあります。
――仕事を失ったお笑い芸人やタレントたちが大量参入している。
パイが広がっている状態なので、まだ1年は僕たちユーチューバーが芸人とコラボして相乗効果が得られると思います。市場が活発化すればコンテンツのクオリティーも上がるし、淘汰される。残った人間は真の実力者になる。エンタメのトーク系だと、ヒカル君、メンタリストのDaiGoさん、お笑い芸人の中田敦彦さんたちが残るんじゃないかと思います。僕も先駆者として登録者数を稼いでいるし、お笑い芸人ぐらいのトーク力はあるのでアベレージは高いと踏んでいます。
――トーク力は営業マン時代の先輩がお手本とか。
周りの人たちが「俳優になったらいきなり一軍だね」っていうくらいのオーラの違う、天才タイプの先輩です。法人の飛び込み営業で、ビル1棟で10件中2件取れれば優秀なのに、先輩は5、6件取ってくる。セールストークはビジネス書に出ているものと同じでも、声のトーンや強弱のつけ方が違う。歌のうまい人みたいな感じでしょうか、会社で一番数字を取っている先輩は成功の“最短コース”ですから、とにかく聞いて真似ましたね。
――テレワークの先駆者として今の状況をどう見ているのか。
会社としての本質的な規模感が出ますよね。人事制度がしっかりしている会社は、部下にきちんと指示出しできるから円滑に回るし、会社の方針がハッキリと出る。でも自分の任期の間だけ結果を出そうとするやつが上に就くと、そいつがいなくなった時に焼け野原になる。そういう場面が自衛隊の時も、営業時代もあって、嫌気が差したから“1人で秒で決める”ユーチューバーになったんですけどね。
――年収5億円を達成するには?
利益を最大化するには時間をかけないこと。悩む時間を極限まで減らし、関わる人間をとことん削る。自分が打ち合わせに出向くこともありますが、LINEで打ち合わせがほとんどです。そうやってできた時間を次の広告案件にあてます。動画制作も自分が演者でディレクターだから、無駄のない動画にし、編集作業も最小限、クオリティーを落とさず、大量の案件を高速でこなすんです。
――もしも今、自分が営業マンだったら?
在宅で何もできないなら、まずは“機動力”を高めて、自粛が明けたら“すぐ動ける”ようにする。ターゲットの仕入れ先、売り先など徹底的にリサーチして、直接会えなくても仕事がとれるだけの資料を作って、ロールプレーイングをする。あとは自分の勉強に本を読む。とにかく人の何倍もやるのは基本です。
――将来のビジョンは?
100億円のキャッシュをつくること。億万長者を超える人たちと会うようになって、有事の時に大切な人間を守るには100億のキャッシュがないとどうにもならないって聞いて、目標値が上がりました。
――今後のラファエルは?
あくまでも僕は“悪党”。人の心のスキを操る悪魔にはならない、コンプライアンス的にクリーンに、企画力をあげていきたいですね。
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)▽大阪府生まれ。定時制高校を卒業後、パチンコ店に勤務、自衛隊や営業職を経て2015年からユーチューバーを始め、“時給日本一”年収5億円を稼ぐトップユーチューバーに。チャンネル登録者数は156万人超、再生回数は4億回超。
続きを読む
Source: YouTube速報