【別カット】巨人球団社長室でインタビューに答える今村司社長
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シナリオは民意によって創り出される。
日本テレビを退社し、読売新聞社の出身以外で初めてとなる球団社長に就任した。「『巨人軍の社長になりたい』と言っても、なれない。自分で手を挙げたわけでもない。これだけのコンテンツに携われる人はなかなかいない。一番前でかじを取れる。一番上ではない。それはすごく幸せだなと思う。もちろんリスクも背負う」。異例の人事に奮い立った。
国内最大のスポーツ文化と自認する伝統球団の長として、発展を促し、継承へ導く。プロ野球選手の才能を認め、文化に昇華させたい。「エンターテインメントというのは、目立たないといけない。憧れられないとダメだと思う。芸能人とか野球選手は、普通とは桁外れの才能があって、その中で努力してきた人たち」。才能が文化を育てる。だから「文化というのは自分たちで終わるのではなく、自分たちを目指す若者がいるから、文化は続く。そういう役割もある」。
社長室が仕事場ではない。見て、聞いて、話し、心を動かされ、動かす。「交流戦の札幌ドームでジャイアンツの応援団と会う機会があった。球場で話してくれて胸が熱くなった。泣きそうになっちゃったよ。つい宴会まで一緒に行っちゃった」。就任1カ月も満たない中でも、行動力が第1歩を生む。「こういう人たちに支えられてて、この人たちのためにも「さすがジャイアンツいいよね」ともっと言われたい」。
娯楽が多岐にわたる近年は「野球離れ」が深刻化している。「野球って、すごく大きな文化だったから、サービス精神が他の業種より、少し劣っていると思う。これからのライバルは、サッカーとか卓球という業界ではなく、YouTubeとかスマホゲームになる」。衰退のスパイラルを防ぐべく、警鐘を鳴らす。
「業界自体がシュリンク(縮小)している。これが一番怖い。シュリンクした業界にはいい才能は来ない。人間の資質が劣る業界はどんどん寂れていく。とにかくみんなで変えていきたい。NPB、メディアを含めて、同じ船に乗っている仲間。みんなで考えないと」
先人が残した訓示を再度、解釈する必要性がある。巨人軍は常に紳士たれ-。「絶えず憧れる存在であってほしい。あの人みたいになりたい。あの人のそばに寄りたい。話したい、触りたいとか」。“紳士”の定義は時代とともに変化する。「喜んでもらいながら勝つということが大事。勝つことはいいこと。でも、本当は喜ばすことが前。喜んでもらわないと、勝っても喜んでもらえない。民意とは、そういうことだと思う」。
令和に即した解釈のようで、原点回帰のようでもある。プロ野球の未来、巨人の未来へと続くシナリオを紡いでいく。(完)
◆今村司(いまむら・つかさ)1960年(昭35)5月10日、神奈川・横須賀生まれ。東大文学部を卒業後、85年に日本テレビに入社。ボクシングのマイク・タイソン戦や巨人戦などを担当。15年1月に侍ジャパン事業を担う「NPBエンタープライズ」社長に就任。17年5月に日本テレビへ帰任し、19年6月から現職。同11日の就任会見では「SEIKO」をテーマに掲げ「サプライズ」「エンターテインメント」など、5項目の充実を約束した。
日刊スポーツ6/27(木) 18:47配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190627-06270991-nksports-base
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Source: YouTube速報